suckoflife

日常の生活を

Xちゃんはいつもちょっとふざけている

 

上手いこと立ち回ることもできず、明るく元気でもなく、理路整然としてるわけでもなかったから、生存戦略としていつもちょっとふざけている。困難な状況。絶望的な事実。自責の念。とかそういったあれこれに対して、努力しません向き合いません宣言として、いつもちょっとふざけている。接客をしながら、ミーティングをしながら、相談に乗りながら、いつもちょっとふざけている。努めて、いつもちょっとふざけている。本当に悪手だなって思いながら、いつもちょっとふざけている。

どうしようもない最悪なことも、無理矢理にでも茶化してしまえばどうってことないように思える気がした。茶化せば茶化すほど陳腐になるし嫌な湿気も取れる、なんとなくそう思っていた。そういう姑息な思考の影響っていうのは日々の生活に間接的でも何でもなくドストレートに現れて、例えば仕事で絶対に笑ってはいけない場面で案の定笑ってしまいおもくそどつかれたりした。どつかれながら思うことは、違うんです私ってばこの場を真剣に捉えすぎちゃって どうってことなくないこの状況を少しでもどうってことなくしたくって、その気持ちが爆発した結果笑っちゃったんです。そんな私の真意を知らずに貴方は真っ赤になって怒るわけだけども、それはまぁ100パー貴方が正しいね、ありがとうございましたさようなら。

ふざけてるよねナメてるよね何考えてるのって言われるたびに、ふてぶてしさを装った私の中にパンパンに詰まっている、深刻ぶった表情の、余裕がまるでない、焦りではち切れそうになった私のことを思う。

それでもいつもちょっとふざけてないと、他人事みたいに心の中で笑ってないと、明後日の方向を向いてないと私は。毎日毎日毎日毎日いつもちょっとふざけてる私は。ねえお母さん私は。私は不真面目?

って訊いたことが昔あって、なぜそんなことを問うたのか今となっては分からないのだけど、そのときお母さんは微笑んでるんだかなんなんだか曖昧な表情を浮かべて言った、アンタは底無しに怠け者だけど気が小さくて、真面目。